アニメ制作会社に転職し、働くということPart2
繁忙期と言うものがありますよね。
一般的な会社ですと月末や、年末、年度末なんかがそれに該当すると思います。
アニメの制作会社では、そういった一般的な繁忙期は該当しません。
ではいつが繁忙期なのか・・・。
それはもちろんアニメの放送前から放送中が最大の繁忙期です。
アニメは1クール12話を作成するのに、基本的に2~3年くらいかかります。
最初の頃は企画の段階で、プロデューサーだったり、監督、脚本家、演出家、設定制作といったメンバーが、日々会議を行い、設定や予算について話し合っています。
放送の1年から半年くらい前になると、各話数が始動する頃で、制作進行のメンバーが各話を担当し、脚本演出に従って、クリエーターの方に発注を行っていきます。
と書きはしましたが、大体そんな感じで、詳細になると全然わからないです(´・ω・`)
制作チームにいたことが無いので・・・
ちなみに30分のアニメ1話分を作成する期間は1~3ヶ月くらいです。
1話は3ヶ月くらいで制作し、最終話近くなると1ヶ月くらいで完成!なんて話はよくあります。
この、各話制作スタートからが繁忙期のスタートです。
この時期になると話数担当の制作は地獄のようなスケジュールで仕事をしています。
夜仕事終わりに見かけた制作が、翌朝出社した際にまだ仕事してるなんてことはよくあります。会議室や倉庫で寝ている人も多いです。
1話や2話担当だとまだそんなことは無いと思うのですが、終盤の話数担当ですとそういったことは頻繁に起こります。
終盤の話数製作中には、大体アニメはスタートしていますからね。もうあとが無いのです。
こういった地獄の繁忙期はトラブルも多々発生します。
クリエーターからの納品が来なかったり、海外から上がってきた納品物の出来が悪かったり・・・
他には作画さんが書いた絵が入っているカット袋を紛失したり・・・(;´Д`)
びっくりエピソードとして、私の知り合いのアニメーターの方が、たまたま自分の家の前でカット袋を拾ったそうなのですが、その中に入っていたのは別会社の来週放送されるアニメ話数のカットだったとか・・・
その会社に連絡して回収してもらったらしいのですが、それがなかったから確実に放送延期でしたね(;´Д`)
他に起こるトラブルとしては、話数担当の制作進行がいなくなるトラブル・・・
そうです、消えるのです・・・
このトラブルもよく?起こるのですが、突然引き継ぎなく消えるので、現場は大混乱になります(;´Д`)
他にもトラブルはいっぱいあるのですが、そういった様々な障害を乗り越え放送が終了した暁には、チーム全員が長期の休暇に入ります。
長期と言っても長くて1ヶ月くらいですが、そのくらいの間、社内から10名ほど人が消えます。
10名?少ない!と思われるかもしれませんが、クリエーターの人たちは基本休みません。
彼らは出来高の契約のため、常に仕事をしていないと収入がなくなっちゃうのです(´・ω・`)
なので休みに入るのは、プロデューサー、デスク、制作進行のメンバーだけです。
大きな会社ですと他に数チームいて、1チームのアニメが終わると次のチームのアニメが放送開始したり、裏で劇場ものを作っていたり、ゲームのOPやスマホゲーのムービー、ミュージックビデオを作っていたりなどなど・・・
会社としては1年中繁忙期と言えるかもしれません。
アニメ会社は経営体質上、常に作品を動かしていないと経営が成り立たないのです(´・ω・`)